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2012年2月8日、豪カンタス航空、JAL、三菱商事が出資する格安航空会社(LCC)のジェットスター・ジャパンが記者会見を開いた。
【詳細画像または表】
案内状には「就航へ向けた準備状況をお伝えする」とだけ記されていたため、「具体的な情報は出ないのでは」という話もあったが、なんと就航予定日の大幅な前倒しと、就航予定地を発表するサプライズ会見となった。
就航予定日は半年近く前に
ジェットスター・ジャパンは、ANAが出資するピーチ・アビエーション、エアアジア・ジャパンに次ぐ、日本で3番目のLCCとして2011年8月に設立が発表された。就航予定日は2012年12月ごろとされ、先行する2社を後追いする計画だった。
ところが今回、それを前倒しして7月3日に就航すると発表された。エアアジア・ジャパンは8月に就航する予定で、これよりも早く“国内2番手”として営業を開始することになる。タイミングについてジェットスター・ジャパンの鈴木みゆき社長は「需要が高い夏休みに就航するのが狙い。最混雑期のお盆より前に営業を始めたかった」と明かす。
ただし、不安材料もある。8月就航予定のエアアジア・ジャパンがすでに客室乗務員やパイロットの入社式を行い、国土交通省からの事業認可も取得しているのに対して、ジェットスター・ジャパンはいずれもこれからだ。「出資者である豪カンタス航空やJALから最大級の支援を受けており、7月には確実に就航できる」(鈴木氏)というが、事業認可が下りないことには、営業はできない。
拠点は成田に決定
気になる就航路線だが、成田を拠点に、関西、札幌、福岡、那覇へ向けて飛ぶことが明らかにされた。これは「成田シャトル」として就航路線を拡大しているスカイマークやエアアジア・ジャパンと同じ路線。「成田はあくまでも拠点。成田を経由せずに飛ぶ便もありうる」(鈴木氏)と発言しており、関西から札幌をはじめ各地へ飛ぶ可能性もある。こちらはピーチ、スカイマークと競合する。激しい価格競争は必至だ。
鈴木氏は運賃の価格水準について「大手エアラインより4~5割安くする。ほかのLCCとも値段では負けない自信がある」という。成田-札幌の場合、スカイマークが1万円前後のかなり安い価格で運航しているが、さらに下回ることを示唆した。
なぜそんなに安くできるのか。鈴木氏は会見で2つの理由を挙げた。1つは「コスト削減のノウハウ」だ。ジェットスターは日本と同じく人件費、空港利用コストの高いオーストラリアやシンガポールを拠点としながら、低価格でかつ高収益のビジネスモデルを構築している。2つめは「スケールメリット」。就航時は機材は3機と少ないが、ジェットスターグループ全体で見ると86機を保有している。「今回の3機もジェットスターグループの発注枠に入っており、機体メーカーとかなり有利に価格交渉ができた」(鈴木氏)という。
これは機材調達だけでなく、備品から燃料まで、あらゆる面に及ぶ。保有機材が20機強のスカイマークや、2年以内に10機程度まで増やすというピーチと比べても「コストは低くできる。価格については自信満々だ」と鈴木氏。同席したジェットスターグループCEOのブルース・ブキャナン氏も「日本国内では厳しい戦いになり、生き残れないエアラインも出てくると思う。しかし我々は負けない」と宣言し、「戦いの真の“勝ち組”は低価格を享受する消費者の皆さんだ」と続けた。
既存のエアラインとの連係も
成田を拠点としたのは「空港会社と知恵を出し合った結果、我々が納得できるような空港利用コストになった」(鈴木氏)ことに加え、ジェットスター本体が運航する国際線との接続を考慮したためだ。乗り継ぎサービスが実施される予定で、地方都市から成田を経由して格安で東南アジアやオセアニアへ行ける可能性が出てきた。首都圏からも、成田から関西を経由してジェットスター・アジアが運航する台北経由シンガポール行きなどに乗り継げるかもしれない。
加えて、すでに国際線で行っているJALとのコードシェアを将来的に国内線へも拡大する意向も表明。これが実現すれば、JAL本体が担ってきた成田と地方主要都市との国際線接続便をジェットスター・ジャパンが肩代わりすることになる。
国内線しか運航していないスカイマーク、特定のエアラインとの提携関係を持たないピーチとは異なり、出資者であるカンタスとJALの経営資源を最大限活用してビジネスモデルの構築を図るジェットスター・ジャパン。ほかのLCCとは異なる使い方ができそうだ。
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