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一人暮らしする部屋といえば、それほど広くないワンルームが一般的だ。狭い部屋だからこそ、少しでも広く見せたいのが人情というもの。余計な家具やモノをなるべく減らしたり、背の低いインテリアで統一するといった工夫をしている人も多いはずだが、やっぱり狭いものは狭い。なんとかワンルームを広々と見せる方法ってないんだろうか?
そこで今回は、一人暮らしの若い世代を中心に個人向けのインテリアスタイリングを提案している「お部屋改造計画」のルームスタイリスト・柳橋浩さんに、狭いワンルーム空間を効率よく使う「間仕切りテク」を教えてもらった!
「実際に生活をするうえで、必要な家具や荷物は意外と多いもの。6畳程度のワンルームでは現実的にスペースが不足して、ゴチャゴチャした印象になってしまうのは当たり前です。狭い部屋を無理に広く見せようとするより、あえて“空間を仕切る”ことでスペースを有効活用する方がメリットは多いんですよ。カンタンな例としては、ベッドとテレビ台の間を仕切るように本棚などの家具を置くこと。ひとつの部屋が“寝室”と“リビング”のふたつのスペースに分割されて、機能的かつスッキリした印象になるんです」
というわけで、筆者の部屋で実験することに。壁に沿って配置していた棚を移動させ、部屋を仕切るように置いてみると、ベッドが目隠しされてゴチャゴチャ感が確かに薄まった。
「棚の裏側に化粧が施されていない場合は、上から好みの布をかぶせれば部屋のアクセントにもなります。また、本棚など奥行きのある家具を置く余裕がないなら、床と天井でつっぱるタイプの『ラダーラック』をパーティション代わりに使う方法もオススメですね。板一枚分の奥行きで空間を手軽に仕切れるうえ、洋服や小物などを置いて“見せる収納”としても使えるので、収納の少ないワンルームにはピッタリですよ」
そのほか、キッチンや玄関に仕切りがない場合は、視界をさえぎらない『ストリングスカーテン』などで軽く目隠しすると、狭さを感じさせずに雰囲気がグッと良くなるんだとか。部屋の間取りに合わせて上手に空間を仕切ることで、狭い部屋でも賢く暮らせるようになるかも?
その発生が迫りつつあるといわれている、マグニチュード7級の首都直下型地震。直下型地震の場合、まず考えるべきは揺れへの備えということになるが、ひとつの地震でもその地盤の種類によって、揺れの大きさは異なってくるという。
揺れの大きさを左右する地盤は、日本では一般的に上の層から表土、沖積層、砂れき、洪積層によってできている。地震災害に詳しい一級建築士の井上恵子さんが解説する。
「沖積層とは現代から2万年の間に作られた比較的新しい地層。河川などで運ばれた腐葉土や泥土でできている軟弱な層です。これに対して、洪積層は2万~200万年ほど前に作られた古い地層。岩盤といってもよい硬い層です」
建築基準法では、この沖積層と洪積層によって地盤を3つに区別している。すぐ下に岩盤や硬質砂れき層など硬い地盤で構成されているのが第1種地盤。第3種地盤は、腐葉土や泥土などが直下に存在し、硬い地盤まで30m以上の距離がある所。第2種地盤は第1種と第3種の中間を指す。
表土から30m以上の深さまで、軟らかい沖積層と砂れきが存在する第3種地盤が、最も軟弱となるが、首都圏の建物のほとんどがこの第3種地盤の上に建てられているという。
「海に近い首都圏のほとんどは第3種地盤なんです。加えて、関東平野には富士山の火山灰が降り積もってできた関東ローム層が広がっているのですが、これが極めて軟らかい地盤なんです」(井上さん)
港湾が発達し、電車の路線や道路など交通網も海に近い第3種地盤の上に多く位置する首都圏。それにしたがって、多くの住宅がこの軟弱な地盤の上にある。地震問題に詳しい不動産コンサルタントの平野雅之さんがいう。
「首都圏の海に近い場所は人工の埋め立て地が多く、そうした場所の下は不安定な沖積層。緩い地盤となります。地震が起きれば、揺れは大きく増幅されてしまうでしょう」
こうした軟弱な地盤の上に家やマンションを建築する際には、地中深くにある硬い洪積層まで基礎杭を伸ばすのが、いまでは一般的。しかし、2000年以前に建てられた住宅については注意が必要だと、井上さんは指摘する。
「2000年に建築基準法が改正されて、地盤の強さに応じた基礎が必要となりました。ですが、それ以前の建物は地盤調査がなくても建築許可が下りたんです。特に、一軒家の場合は経済的な理由から軟弱な地盤に対する適切な基礎工事を行っていない可能性があります。首都直下型地震の危機が叫ばれていることを機会に、地盤の強さから自宅の基礎、耐震強度まで見直してみるとよいでしょう」
賃貸住宅を退去する際、部屋の汚れの清掃や修繕にかかる費用負担を巡って、家主とトラブルになることがある。まもなく年度末の引っ越しシーズン。「費用負担の基本ルールを知っておこう」と専門家はアドバイスする。
引っ越しで退去するとき、預けていた敷金は家主から返金される。ところが「部屋の掃除・修繕費」として高額な料金が請求され、敷金から差し引かれることがある。
国民生活センターによると、「ハウスクリーニングやクロス張り替えで、家主から敷金を上回るほど高額な料金を請求された」といった相談が後を絶たないという。「原状回復トラブル」「敷金トラブル」と呼ばれるこうした相談は、全国で1万6290件(2010年度)にも上る。
トラブル防止のために、国土交通省が「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を作成している。それによると、「普通に暮らして生じる汚れや傷」「建物が古くなってできた傷み(経年劣化)」の修繕費は家主の負担。一方、不注意で生じた傷の補修や落書きを消すための費用などは借り主の負担だ=別表=。東京司法書士会で消費者問題を担当する大冨直輝さんは「この指針に法的な拘束力はないが、参考になる」と話す。
退去時には、具体的にどんなことをすべきだろう。まず、出来る限り家主や不動産会社の担当者に立ち会ってもらい、部屋の状況を一緒に確認することだ。引っ越しで荷物を運び出した後、修繕が必要な部分など部屋の状態を写真に撮って残しておくと、万が一後日トラブルになった際に役立つ。大冨さんは「修繕費の明細を記した見積書や精算書などを出してもらい、内容をよく確認しよう」と勧める。
こうしたトラブルは「退去時の問題」と思われがちだが、実は入居時からしっかり対応しておくことが大切。入居時に部屋の傷や汚れの状態を写真に撮り「入居前からすでにあった」として貸主や不動産会社へ報告しておけば、退去時にトラブルになりにくい。
また、賃貸契約をする時に、〈退去時、借り主がハウスクリーニング費用を負担する〉などといった「特約」を結ぶケースがある。具体的にどの程度の費用負担になるのか、家主や不動産会社に確認しておくことが必要だ。
日本賃貸住宅管理協会理事、関輝夫さんは、「基本的なことだが、契約書をよく読んで疑問は解決し、納得したうえでサインする。他人のものを借りているという認識を持って、丁寧に住めば、修繕費用も安くすみます」と話す。
トラブルになった場合、自治体の消費生活センターや各地の司法書士会などが相談に応じている。
◇国の指針に示された修繕分担例
【家主負担になる例】
・家具設置でできた床やカーペットのへこみ
・壁のクロスや畳の日焼けによる変色
・テレビや冷蔵庫の後部壁面の黒ずみ(電気やけ)
・鍵の取り換え(破損、紛失がない場合)
【借り主の負担になる例】
・喫煙によるクロスなどの変色や、においの付着
・カーペットに飲み物などをこぼしたことによるシミやカビ
・引っ越し作業で生じた傷
・壁のくぎ穴、天井に直接つけた照明器具の跡
・日常の掃除を怠ったことによる台所の油汚れ
・落書きなど故意の損傷
【関連記事】
改装OKの賃貸住宅続々
一人暮らし 犬を飼うには
・ 「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について
- 再改定版
(PDFファイル)の37ページ以降にQ&A。国土交通省
◇相談件数
・ 賃貸住宅の敷金、ならびに原状回復トラブル
- 最近の事例など。国民生活センター(1月31日)
・ 賃貸住宅の退去時に伴う原状回復に関するトラブル
- 消費者へのアドバイスも。国民生活センター(2011年3月3日)
◇貸主負担、借り主負担の事例
・ 原状回復の具体例
- 不動産ジャパン
・ 賃貸退去時の「原状回復義務」ってどこまでしたらいい?
- 少しでも多くキャッシュバックを望むならば、まずは日ごろの手入れを心がけるのが肝心ですね。web R25(2011年1月25日)
◇自治体の消費生活センターなどが相談に応じている
・ 全国の消費生活センター等
- 国民生活センター
・ 敷金を返してほしい
- 日本司法書士会連合会
あまり考えたくないことですが、もし住宅ローンを払えなくなったとしたら、どうなるのでしょうか。
もちろん払えると思ったからローンを組んだわけですが、このご時世、勤務先が経営不振に陥って給与を大幅に下げられたり、リストラされたり、あるいは病気になって働けなくなったりということもありえない話ではないでしょう。
とはいえ、1~2カ月支払いが滞ったからといって、いきなり追い出されることはまずありません。しかしその状態が3~6カ月程度続くと、残ったローンの一括返済を迫られることになります。
ただ、1~2カ月分も払えない人が、残りの全額を払えることはまれ。そこでたいていはローンの保証会社(銀行系のローン会社であることが多い)が本人に代わってローンを返済することになります。つまり債権者が銀行から保証会社に変わるわけです。
保証会社は住宅を処分してお金に換え、借金を回収しようとしますが、購入時より不動産価格が下がっていることが多く、さらに利息分も加わるため、全額回収できないことがほとんどです。そこで残りは一般債権として返済していくことになります。
以上が一般的な流れですが、「住宅ローンが払えない=マイホームを手放すしかない」となるとは限りません。どうしても今住んでいる地域を離れたくないとか、家に愛着があって他人に渡すのはイヤだというケースもあるでしょう。
それに住宅ローンを払えずに家を失った場合、次に住む家はどうしても狭くなったり部屋数が少なくなったりと条件が悪くなるものです。それを避けたいというなら、今の家に住み続ける方法がないわけではありません。その方法は大きく分けて2つあります。
1つは「任意整理」です。これは本人または本人から依頼を受けた弁護士が債権者と直接交渉して、返済計画を実行可能なものに見直してもらう方法です。交渉の結果、債権者が住宅ローンの支払期間の延長や月々の支払金額の減額に同意してくれれば、そのまま住み続けることができます。
この方法は裁判所を通さないため、裁判所に納める費用や、裁判所が選んだ監督委員への支払いが不要なので、その分安上がりではあるのですが、債権者の同意を得られるかどうかは債務の金額や弁護士の腕次第というところがあります。
二つめは「民事再生手続き」です。これは再生という名の通り、借金を返せなくなった人を立ち直らせるための法的措置です。
民事再生手続きはさらに2つの種類に分かれていて、企業経営者向けの「小規模個人再生手続き」と、サラリーマン向けの「給与所得者等再生手続き」があります。
サラリーマンは後者を利用して債務を整理することが一般的です。利用するには担保のついていない借金が5000万円以下で、給与など定期収入を得る見込みがあり、その額の変動の幅が小さいことが条件です。
この手続きを選ぶと、「住宅資金貸付債権に関する特則」というものを利用して、ローンの組み方を払いやすいように変更できるようになります。たとえば私のところに相談に来た方は、ボーナス払いをやめて毎月均等割りにすることができました。また通常、ローンの支払期間を延ばすことも可能です。
借金を帳消しにするには自己破産という手段もありますが、自己破産をすると、原則として自宅を失うことは免れません。今の家に住み続けるには、任意整理か民事再生手続きのどちらかを選ぶことになります。
任意整理や民事再生手続き、さらには自己破産をすることによる不利益は思ったより少なく、せいぜいしばらくの間クレジットカードが使えなかったり、新しいローンが組めなくなったりする程度です。
一度は払うと約束したローンが払えなくなると、生真面目な方は消費者金融から借りてでも払おうとします。しかしその金利が借金を雪だるま式に膨らませてしまうことも少なくありません。できるだけ早期に、ご自身で、または法律の専門家の手を借りてローンを見直すことをおすすめします。
住宅ローンの支払いがピンチ。どうすべきか
- プレジデント(1月29日)
◇住宅ローンの基礎知識
・ 住宅ローンの基礎知識 : 返済方法
- 三菱東京UFJ銀行
・ 固定vs.変動
- Yahoo!不動産
・ 得する“住宅ローン返済術”
- DIMEの記事。X BRAND(2011年2月3日)
・ 住宅ローンシミュレーション
- Yahoo!不動産
・ 「住宅ローン返済月額14万円」家族ばかり破綻していく「ワケ」。――夢を「悪夢」にしない方法はこれしかない!
- SAFETY JAPAN(2010年11月16日)
・ 「住宅ローンでマイホーム購入」がいかにハイリスクかを解説
- NEWSポストセブン(2011年7月9日)
◇関連トピックス
・ 住宅、マンション
- Yahoo!トピックス
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なんでこんなに安いのか?
お客様の目でお確かめください!
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壁紙の黒ずみ、床の傷、畳の色落ち……。家族4人で10年間住んだ3LDK、70平方メートルの賃貸マンション。引っ越しの当日、家族の歴史が刻まれた“痕跡”の数々を見ては、喜怒哀楽さまざまな思いが込み上げてきました。車の窓越しに、マンションが遠ざかっていく様に、女房ともども思わず涙ぐんでしまったのです。
しかし、ノスタルジックな思いに浸っている暇(いとま)はありませんでした。家主が不動産屋を通じ、「10年前の入居時と同じ状態に回復するためのリフォーム費用を払ってほしい」と通告してきたのです。その額20万円。
「支払い済みの敷金40万円で十分収まるはず。かえっていくらか戻ってくると」と心中ひそかに、期待していました。ところが、戻ってくるどころか、敷金だけでは足りずに、さらに不足分の補修費用を払えと言うわけです。
私は、新しく移り住んだマイホームの建築資金で4000万円もの住宅ローンを抱える身であり、20万円というお金は今の私にとってみれば大金です。
マンションを出て、家を建てることになったのは、そろって傘寿を迎えた両親の面倒をみるためでした。両親の住んでいる都内の実家の土地に2世帯住宅を建てたら、万が一の時にも安心なはず。それに、都内の大学に通っている子どもたちの通学にも便利――と考えたのです。
以前住んでいた、マンションの家賃は20万円。敷金として2か月分の40万円を入居時に支払っています。
ファクスで送られてきた、見積書には、リビングのフローリング床の張替え、和室の畳の張替え、全部屋の壁紙の張替え――などのリフォーム項目が列挙されていました。家主の代理人の不動産屋は、今のままでは新しい人に貸すことができないのだから、自分たちが汚した分はすべて負担するべき、と言います。ちなみに、私は賃貸借契約の締結時に、敷金からどのような費用が控除されるかなど、全く説明を受けていません。、その点について記載した書面をもらったこともありません。
たしかに、このマンションに10年も住んでいましたので、さまざまな補修が必要なのかもしれません。しかし、その費用は賃借人である私が負担しなければならないのでしょうか。むしろ、家主は、私から家賃を毎月受領していたのですから、家主側が負担すべきではないでしょうか。(最近の事例を参考に創作したフィクションです)
■回答:古くて新しい敷金返還問題
今回のご相談は、家を賃借する際に常につきまとう問題です。最近では減ってきたと思いますが、かつては、家主の代理人である不動業者と退去する賃借人との間でトラブルが多発していました。経年劣化による汚れ等の補修も含めて、必要とされるすべての補修費用を請求し、敷金が全く返還されないとか、ひどい場合には、差し入れている敷金をはるかに超えて追加の支払いを求めてくる、などです。
「借りるときには畳や壁紙もすべて新品に取り替えられていたのだから、自分が出て行く時にはやはり新品にしなければならない」。退去する賃借人は、このように思いこみ、不動産業者に言われるままに、敷金が戻ってこないことを受け入れてしまうことも多々あったはずです。また、仮に、差し入れた敷金から返金があるはずと思っていても、元々差し入れている敷金はそれほど大きな額ではありません。このため、不動産業者に返還の必要などないと開き直られてしまうと、法的手段に訴える手間や費用を考えて、結局泣き寝入りするということが、かつては多かったと思います。
現に、以前は、賃借人がいくら不動産業者と交渉しても全く埒(らち)があかなかったのに、弁護士に依頼して内容証明郵便で敷金返還を求めると、意外とあっさり返還に応じるというケースがよくありました。つまり、不動産業者としても、敷金を返還するのが原則、と理解しながらも、弁護士等を立てて強く出てくる人に対しては返還し、そうでない人には返還しないというような姿勢が、時に見受けられたわけです。
最近では、賃借人の側にも「敷金は本来戻ってくるもの」という意識が浸透しています。敷金の返還がなされない場合には、国民生活センター等のアドバイスを受けてきちんと権利行使をするようになり、不動産業者の多くも、敷金を適正に返還するようになってきているようです。しかし、まだ昔ながらの対応をとる業者も少なからずあるようです。
それに加えて、最高裁判所が、平成23年3月24日に「敷金は本来戻ってくるもの」という従来の意識を覆す、事実上、賃貸人側に非常に有利と評価できる注目すべき判決を出しており、今後の実務の動向が注目されるところです。
以下、家を借りる場合に必ず出てくる敷金返還問題について、整理してご説明したいと思います。
そもそも、家を借りるときに差し入れている「敷金」とは何でしょうか。
この点、神戸地方裁判所尼崎支部平成22年11月12日判決は次のように判示しています。
「敷金とは、一般に、賃貸借契約終了後、目的物の明渡義務履行までに生ずる損害金その他賃貸借契約関係により賃貸人が賃借人に対し取得する一切の債権を担保するものと解される。したがって、,目的物明渡しの際、賃貸人は、賃借人に上記債務がないときはその全額を返還し、上記債務があるときはその中から当然弁済に充当した上で残金を返還することになる。」
賃貸借契約は、あくまで賃借人による賃借物件の使用とその対価としての賃料の支払を内容とする契約であって(民法第601条)、賃借人が賃料以外の金員の支払を負担することは賃貸借契約の基本的内容に含まれないことを前提としています。敷金は、賃借人による賃料の不払いなどがあった場合における備えとして、家主に担保として「預けている金銭」にすぎません。建物明渡しの際に、賃貸人が賃借人に請求すべき債権が何もなければ、基本的には、その「全額」が返還されるのが原則ということです。
原状回復の範囲とは?
そこで、問題となるのが「原状回復」です。通常、賃貸借契約書の中には、賃貸借契約が終了して物件を明渡す場合において、賃借人が当該物件を原状回復しなければならない旨の条項が盛り込まれています。つまり、建物の賃貸借契約が終了する場合、「当該建物を原状に復して引き渡す」というのが基本的な考え方であり、この費用については賃借人の負担となることから、それが適正な金額である限りにおいて、上記のように敷金から差し引くことが可能となるわけです。
しかし、原状回復がどのような状態をいうのかについては必ずしも明らかではなく、賃借人が負担すべき原状回復費用の範囲も不明確な点があります。
前述のように、最初に借りた時と同じ状態にすることまで、原状回復の内容となり、賃借人の義務とされるとすれば、その金額は非常に高額となり、敷金だけでは到底まかないきれなくなる可能性がでてきます。ご相談者のように、敷金は没収され、さらに費用を請求されるという事態にまでなるわけです。
そこで、国土交通省は、「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を公表し、原状回復に関する紛争予防を図っています。同ガイドラインは、平成23年8月に改訂されて、より充実した内容となっており、今回のご質問については、このガイドラインの考え方を前提としてご説明したいと思います。
まず、ガイドラインは、冒頭において次のように説明しています。
建物の価値は、居住の有無にかかわらず、時間の経過により減少するものであること、また、物件が、契約により定められた使用方法に従い、かつ、社会通念上通常の使用方法により使用していればそうなったであろう状態であれば、使用開始当時の状態よりも悪くなっていたとしてもそのまま賃貸人に返還すれば良いとすることが学説・判例等の考え方であることから、原状回復は、賃借人が借りた当時の状態に戻すものではないということを明確にし、原状回復を『賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること』と定義して、その考え方に沿って基準を策定した。」
つまり、大原則として、いわゆる経年変化、通常の使用による損耗等の修繕費用は、賃料に含まれるものとし、家主は賃借人にそれを請求できないし、敷金から差し引くこともできないということです。
家主側は、賃借人の使用に伴って発生した汚れの完全な除去を求めて、その費用を請求してくることがあります。しかし、賃借人側としては上記のように、「原状回復は賃借人が借りた当時の状態に戻すことではない」ことを前提に交渉すべきということです。
そして、それを前提として、ガイドラインでは、建物の損耗について、以下の区分をしています。
<1> 建物・設備等の自然な劣化・損耗等(経年変化)
<2> 賃借人の通常の使用により生ずる損耗等(通常損耗)
<3> 賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗等
まず、発生した建物価値の減少が、<1>や<2>に該当する場合に、その減少分を復旧する費用は、賃貸人が賃料の中に組み込んで受領していると考え、賃借人が負担するものではないとされます。つまり、建物の賃貸借においては、賃借人が社会通念上通常の使用をした場合に生ずる賃借物件の劣化又は価値の減少を意味する通常損耗にかかわる投下資本の減価の回収は、通常、減価償却費や修繕費等の必要経費分を賃料の中に含ませて、その支払を受けることにより行われていると考えられるわけです。
それに対し、<3>については、賃借人の行為等によって特に損耗してしまったか所を、居住年数も加味したうえで、通常損耗する程度に復旧する費用は賃借人が負担するということになります。ここで注意すべきは、<3>に該当する損耗であっても、原状回復費用として賃借人が負担するのは、経年変化や通常損耗分の復旧費用分は除くということです。
ちょっと分かりにくいですが、100の価値のある建物に3年住んだ場合に、経年変化や通常損耗の結果、建物価値が70になるとします。そして、賃借人の行為が付加されて、この価値が50に減少したとすると<3>に区分され、50から70に復旧する費用は賃借人が負担するということです。決して、50から100まで復旧する費用全部を賃借人が負担するわけではありません。
なお、賃借人が通常の住まい方、使い方をしていても発生するものであっても、その後の手入れなど賃借人の管理が悪く、損耗が発生・拡大したと考えられるものは、損耗の拡大について、賃借人に善管注意義務違反等があると考えられます。その増加分の原状回復費用については賃借人が負担するとされていますので注意が必要です。例えば、クーラーから水漏れしたが、賃借人が放置したため、壁が腐食した場合、腐食した壁を補修する費用は賃借人が負担するといった場合がこれに該当します。
ご相談者の場合、10年以上居住しているということで、<1>の経年変化や<2>の通常損耗に区分されるものが少なくないと思われます。
たとえば、見積書に列挙された、リビングのフローリング床の張替え、和室の畳の張替え、全部屋の壁紙の張替えといったリフォーム項目は、通常、いずれも、賃借人が通常の住まい方、使い方をしていても発生すると考えられるものです。これらは賃貸借契約の性質上、賃貸借契約期間中の賃料でカバーされてきたはずのものと言えます。したがって、賃借人はこれらを修繕するなどの義務を負わず、この場合の費用は賃貸人が負担することになります。
たとえば、ガイドラインでは、「家具の設置による床、カーペットのへこみ、設置跡」について、「家具保有数が多いという我が国の実状に鑑みその設置は必然的なものであり、設置したことだけによるへこみ、跡は通常の使用による損耗ととらえるのが妥当と考えられる」とコメントされています。同様に、「日照による畳の変色、フローリングの色落ち」についても、「日照は通常の生活で避けられないものであり賃借人には責任はないと考えられる」とされています。
さらに、部屋の壁紙の張替えについては、「テレビ、冷蔵庫等の後部壁面の黒ずみ(いわゆる電気ヤケ)」「壁に貼ったポスターや絵画の跡」「エアコン(賃借人所有)設置による壁のビス穴、跡」「クロスの変色(日照などの自然現象によるもの)」「壁等の画鋲、ピン等の穴(下地ボードの張替えは不要な程度のもの)」などもすべて、賃借人が通常の住まい方、使い方をしていても発生すると考えられるものに分類されています。
そこで、相談者の方は、まず、原状回復として、どのような補修工事等を行ったのかについて、原状回復費用の負担を求める書面に添付されている明細でのチェックが必要です。そして、ガイドラインと照らし合わせて、賃借人が負担すべきではないと考えられている項目が含まれていないかを確認すべきかと思います。
そのうえで、賃貸人が負担すべき項目については、その旨を明記した書面等によって、賃貸人、不動産業者等に通知して交渉をすることになります。
実際の交渉に当たっては、弁護士等の専門家に助力を求めることがよいのですが、費用等の点で難しい場合も考えられます。その場合は、(1)国民生活センター、消費生活センターなど常設の紛争調整機関の利用(2)裁判所での民事調停の申し立て(3)自分で少額訴訟手続(60万円以下の金銭の支払いを求める場合に限り利用でき、1回の期日で審理を終えて判決することを原則とする特別な訴訟手続)を利用して訴訟提起――などが対応策として考えられます。
なお、本件ご相談では、敷金について、契約書に何ら特段の規定が置かれていないわけですが、何らかの規定が置かれている場合はどうでしょうか。
言うまでもなく、賃貸人、賃借人間でどのような契約を締結するのも本来自由であり、一般的な原状回復義務を超えた一定の修繕等の義務を賃借人に負わせることも可能です。ただ、そのようなことを自由に認めたのでは、賃貸人は、契約書の中に、「最初に借りた時と同じ状態に戻すための費用すべてを賃借人が負担する」といった趣旨の規定を入れて、リフォーム費用全額の支払いを賃借人に求めてくる事態になってしまいます。
この点、最高裁判所平成17年12月16日判決は、「建物の賃借人にその賃貸借において生ずる通常損耗についての原状回復義務を負わせるのは、賃借人に予期しない特別の負担を課すことになるから、賃借人に同義務が認められるためには、少なくとも、賃借人が補修費用を負担することになる通常損耗の範囲が賃貸借契約書の条項自体に具体的に明記されているか、仮に賃貸借契約書では明らかでない場合には、賃貸人が口頭により説明し、賃借人がその旨を明確に認識し、それを合意の内容としたものと認められるなど、その旨の特約が明確に合意されていることが必要であると解するのが相当である。」と判示しています。
では、特約で明確に合意さえすればそれで良いのでしょうか。この点につき、平成23年3月24日、最高裁判所が注目すべき判決を出しており、実務に対する影響も大きいと思われますのでご紹介しておきます。
同判決は、賃貸借契約締結から明け渡しまでの経過期間に応じて18万円ないし34万円のいわゆる敷引金を保証金から控除するという敷引特約(筆者注:建物の賃貸借契約において、敷金名下に賃借人から賃貸人に差し入れられた金員のうち一定額ないし一定割合を控除してこれを賃貸人が取得し、建物明渡し後に残額を賃借人に返還する旨の特約)について、「本件敷引金の額が、契約の経過年数や本件建物の場所、専有面積等に照らし、本件建物に生ずる通常損耗等の補修費用として通常想定される額を大きく超えるものとまではいえない。
また、本件契約における賃料は月額9万6000円であって、,本件敷引金の額は、上記経過年数に応じて上記金額の2倍弱ないし3.5倍強にとどまっていることに加えて、上告人(筆者注:賃借人)は、本件契約が更新される場合に1か月分の賃料相当額の更新料の支払義務を負うほかには、礼金等他の一時金を支払う義務を負っていない。そうすると、本件敷引金の額が高額に過ぎると評価することはできず、本件特約が消費者契約法10条により無効であるということはできない。」と判示しました。
このように、最高裁判所が、月額賃料の3.5倍程度の敷引金を許容していることからすると、「高額に過ぎる」と評価することができる場合はかなり限定されると思われます。賃貸借契約書において、敷金のうち、賃貸借契約締結から明渡しまでの経過期間に応じて一定額ないし一定割合を控除してこれを賃貸人が取得する旨を明記する特約は、基本的に有効と考えたほうが良いかと思われます。
裁判所としては、抽象的に、賃借人が通常損耗の補修義務を負い退去時にその費用(実費)を支払うベきものとすれば、賃借人にとっては、退去時に自らが負担することとなる補修費用の額について契約時において明確な認識を持つことができず、結果的に退去時に予想外に高額な補修費用を負担させられるおそれがあるのに対して、敷引特約のような場合、賃借人が、自らが負担することとなる金額について、契約締結時に明確な認識を持つことが可能となり、賃借人が予想外の負担を負うことにはならないという点で、両者に違いがあることを重視していると思われます。逆に言えば、そのような特約さえ明記すれば、賃借人に対して容易に通常損耗の補修義務を負わせることができることになる訳で、今後の実務に与える影響は大きいと言えるでしょう。
振り返れば、われわれサラリーマンは夢のマイホーム資金をいかに借りるかについて頭を悩ませ、心を砕いてきた。
そもそも住宅ローンは、1994年までは全期間固定型か変動金利型しかなかったことをご記憶だろうか。
「バブル期に変動金利は1988年の5.8%から90年には8.5%くらいまで上昇しました。そこから長期金利が低下の一途を辿るなか、1994年に固定金利期間選択型が登場し、経済停滞のなかでも住宅購入意欲を促してきたという背景があります」(東京FPコンサルティング代表の紀平正幸氏)
ちなみに、変動金利型は金融機関が企業に融資をする時のベースの金利となる「短期プライムレート(短プラ)」、3年や5年といった一定期間の固定金利期間選択型は金融機関が企業に融資する特別な金利(デリバティブ金利)の一種である「円金利スワップレート」をベースに決められる。そして、住宅金融支援機構と民間金融機関が共同で提供する『フラット35』に代表される全期間固定型は10年もの国債の金利(長期金利)がベースとなる。
バブル崩壊後、変動金利は下がり続け、「新規ローンの獲得に躍起になった銀行のPRなどもあって、多くの人たちは固定から変動へと借り換えを進めていきました」(紀平氏)。
ところが、2000年8月に経済見通しが明るいとして日銀がゼロ金利政策を解除。短プラも上昇し、「変動のまま放っておけば傷は深まると考えて、今度は固定に乗り換える人が続出。当時のマネー雑誌を見ても、『長期固定に切り替えましょう』などとさかんに報道されていました」(紀平氏)
その後、ITバブルの崩壊で2001年3月には量的緩和を余儀なくされ、短プラは元に戻った。
混乱はそれでは終わらない。次の波は、2006年3月だった。紀平氏の話。
「2006年3月に量的緩和の解除に踏み切り、同年7月にはゼロ金利政策を解除。そして2007年2月に利上げをしたものの、2008年10月にはリーマン・ショックを受けて7年7か月ぶりの利下げ、同年12月にも追加利下げをする迷走が続きました」
その間、変動型の基準金利(短プラ+1%)は2006年7月時点の2.375%から最大2.875%まで上がったが、2009年2月には2.475%へと落ち着いた。それに対し、3年や5年といった固定期間選択型の基準金利は2.25%から3.15%へと上昇。
「変動金利は日銀の政策金利が見直されていないと上げることはできませんが、固定期間選択型は銀行の思惑で上げることができるため、そうした差が生じた」(紀平氏)
にもかかわらず、当時は「さらに変動金利が上がるのではないかといった不安から、より金利が高くなるのはわかっていても固定期間選択型に乗り換える人が続出したんです」
紀平氏がいうように、過去20年の住宅ローン金利は、経済情勢や金融政策によって庶民が右往左往させられた歴史だったのである。
結局、短プラは2009年1月から現在まで1.475%のまま。2007年に変動から長期固定に切り替えたある40代会社員は、「変動だとまだ上がってしまうと踏んで3%強の金利で借り換えてしまったが、今では後悔している」と臍(ほぞ)をかむ。
そして、2012年は国債暴落による金利上昇の恐怖にさいなまれている。
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東京大学地震研究所の研究チームがこんな試算をまとめた。東日本大震災では、その被害の多くが津波によるものだったが、直下型地震の場合、危惧されるのは阪神・淡路大震災のような建物の損壊と火事だ。
それでは一軒家の場合はどうなのだろうか。日本セイフティー災害研究所所長の伊永勉氏は「庭をつけることが理想」と話す。
「庭は避難場所になるだけでなく、庭があれば隣が火事になっても簡単には燃え移ることはありません。ですが、当然値段は高くなる。耐火壁を取り付けるなどして燃え移ることを防ぐ工夫が必要です」
木造家屋の場合、耐火壁は100平方メートルで約50万円といわれている。土地代の高い首都圏では庭付きはおろか駐車場スペースも1階部分に取り付けていることも少なくない。しかし、こうした住居では耐震性は大きく損なわれるという。
「入り口部分の壁がないため、柱はあっても、建物上部を支える壁面が減ってしまうんです。阪神・淡路大震災のときはこうした住居が多く全壊していました。柱と柱の間に梁を増やすなど補強する必要があるでしょう」(前出・伊永氏)
ほかにも地震に弱い一軒家として凹凸型のタイプがあると危機管理教育研究所の代表・国崎信江氏は指摘する。
「家の形の理想は正方形。凹凸のある複雑な形の場合、揺れ方も複雑になってしまい、一部に集中して力がかかってしまうんです。また吹き抜け構造も柱や梁の数が減ってしまい強度は落ちてしまうでしょう」
家の損壊を免れても、地震の揺れは大きな危険を引き起こす。テレビやタンスといった大型の家具は凶器となる。それを防ぐために家具の固定はよくいわれることだが、ただ金具で固定すればよいというわけではない。
「家具は金具で2か所以上柱や桟に固定する。洋間の場合、柱や桟が壁に隠れて見えないことがありますが、叩いてみると簡単に探せます」(前出・国崎氏)
それでも万が一のことを考え、部屋の家具の配置も注意したい。
「寝る場所を家具が倒れてこない位置に変えたり、家具が倒れても扉が開くように、物を置く配置を考えましょう」(前出・国崎氏)
昨年の3.11以降「家族の絆」が見直され、昔は当たり前だった親との同居=二世帯住宅に注目が集まっている。大手住宅メーカー『住友林業』では震災以降(昨年4~12月)の多世帯住宅(二世帯以上も含む)の契約数が、2010年度には全国で約8%だったのが、2011年度は約10%に。東北・北海道エリアにいたっては約8%から約20%に増加したという。
「絆」以外に金銭的なメリットが大きいことも、二世帯住宅増加の理由だ。夫婦と子供ふたり、祖父母を交えた6人家族の、別居の場合と二世帯の場合、20年間のトータルの生活費を、『絶対に後悔しない 二世帯住宅のつくり方』の著者で、一級建築士の山岸多加乃さん監修のもと女性セブン編集部で試算した。
●別居の場合
支出総額 7680万円(子)、5760万円(親)
住宅費 3600万円(子)、0円(親)
家賃更新費 150万円(子)、0円(親)
駐車場代 480万円(子)、0円(親)
妻の給料 0円(子)、0円(親)
計 1億1910万円(子、A)、5760万円(親、B)
(A)+(B)=1億7670万円(C)
●同居
支出総額 9120万円
住宅費 5400万円
家賃更新費 0円
駐車場代 0円
妻の給料 +3840万円
計 1億680万円(D)
1億7670万円(C)-1億680万円(D)=6990万円
二世帯のほうがお得!
仮に子世代は、家賃15万円の賃貸マンションに暮らす40代の4人家族(夫婦と子供ふたり)とすると、家賃の総額は3600万円。そして、平均消費支出は1か月約32万円(総務省家計調査報告より)で7680万円。それに家賃の更新が20年で10回とすると150万円。車の駐車場代が480万円あるとする(車両本体のローンはなしとする)。これらを合計すると1億1910万円(A)。また、70代の親夫婦の平均消費支出は5760万円(B)。持ち家で暮らしており家賃はゼロで計算。つまり、A+B=1億7670万円(C)が別々に暮らした場合にかかる金額となる。
一方、二世帯住宅の場合は、家族6人の平均消費支出は1か月約38万円を20年で9120万円。それに住宅費5400万円(上物代4500万円のうち、頭金1500万円で3000万円借り入れ、月々10万7000円、ボーナス時25万円×2回で、20年返済した場合住宅ローンは合計3900万円)。妻が再就職をして3840万円稼いだとすると、20年間の生活費は計1億680万円(D)となる。CからDを引くと6990万円、つまり二世帯住宅で暮らしたほうが20年間で約7000万円もお得ということになる。
では、実際に二世帯住宅を建てるとしたら、いくらかかるのだろうか。前出の山岸さんはこう話す。
「ローコスト住宅から、高級住宅まで住まいの建築費用は幅があります。例えば、坪当たり80万円で50坪の家を建築した場合、住宅設備機器も含めて約4000万円かかります。その建築費にプラスして諸経費を用意する必要があります」
また、家を建てるには、上物代以外のお金もかかることを忘れてはダメ。
「親の土地に二世帯住宅を建てる場合、上物の建築工事費以外に、現在の家の解体費用とその他諸費用が必要です」(山岸さん)
おもな費用は次の5つ。【1】建築のための費用【2】登記費用【3】住宅ローンを組むときにかかる費用【4】建て替えに必要な費用【5】税金。「建て替えに伴う解体費用や外構・冷暖房設備の設置により大きく変わります。諸経費の目安ですが、理想としては500万~1000万円は用意しておきたいところです」(山岸さん)。
「この基準を満たそうと思ったら、マンション価格は3割も上昇するかも知れない」――。
1月23日、東京都はマンションデベロッパーを震え上がらせる新たな認定基準を打ち出した。
この基準は、震災発生時にも住み続けることができるマンションを認定するもの。建築基準法で定める耐震性を有することはもちろん、常用発電機を設置し、停電の際にも水の供給や最低1基のエレベーター運転を行えること、また常用発電機で発生する熱を暖房などに使用できる設備が整っていることなど、合計5つの条件が盛り込まれている。
条件を満たしたマンションは、「東京都LCP(Life continuity performance)住宅」として登録される。
東日本大震災の際、都内では、建物は壊れなかったものの、大規模停電や、その後の計画停電などの影響でエレベーターの運転が停止したり、水道が使えなくなるなどの問題が発生。居住者の生活に大きな影響を及ぼした。
そこで、大震災時にも住み続けられるマンションを認定しようということになったのだが、マンション業界は「いろんな意味で厳しすぎる」と及び腰だ。
最大のネックはコスト。非常用発電機を持つマンション自体がまだ少なく、この基準通りにマンションを作るとなるとコストがかかる。
マンション購入価格は俗に「年収の5倍まで」が適正と言われる。昨今の超低金利では、もう少し幅が広がっているものと思われるが、それでも購入者の収入自体が上がらない時代にあって、コストアップ分は価格に転嫁しづらい。
しかし、こうした認定制度ができてしまえば、対応しないわけにも行かない。強制力のあるものではないが、認定外となれば「評判が下がり、売りづらくなるかも知れない」からだ。
また、既存物件への対応も難しい。こうした認定制度ができてしまえば、「既存物件の居住者の不安をあおることになりかねない」(業界関係者)。
首都圏のマンション供給戸数は、ピーク時の8万戸から半減し、現在はゆるやかな回復基調に乗っているところ。こんなハードルの高い基準を新設して販売に水を差してほしくないというのが、マンションデベロッパーの本音だろう。
◇東京都が基準示す
・ 災害対応マンションで登録制度 東京都が4月にも開始
- 住宅新報(1月27日)
・ 「東京都LCP住宅の登録・閲覧に係る基本方針」について
- 東京都都市整備局(1月23日)
◇マンション販売の動向
・ 11年の首都圏マンション発売前年並み
- フジサンケイ ビジネスアイ(1月20日)
・ 2012年の展望
- 関連情報エリア
・ 12年間のマンション販売戸数と平均単価をグラフ化してみる
- Garbagenews.com(2011年2月23日)
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